大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL レビュー 空前絶後のボリュームだが画竜点睛を欠く  

 

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メーカー:任天堂 機種:Nintendo Switch

 

 

 

常軌を逸した物量

未だかつてここまでのコンテンツを詰め込んだゲームが存在しただろうか。

現時点で総勢75体のキャラクター、850曲を超える楽曲、108個にも及ぶステージ数とどれも圧巻。

楽曲に関してはこれだけでもゲーム史の資料として価値があると思う。

参戦作品から厳選されたオリジナル曲、本作独自のアレンジ曲を聞くたび原作を遊んだ当時の思い出に浸ってしまった。

 

シングルプレイヤー向けコンテンツとして新たに登場した「灯火の星」はスピリッツという新要素を駆使しながら進めていくモードでクリアまで20時間~30時間は掛かるだろう。

勝ち上がり乱闘」(旧作でのシンプル)もキャラクター毎に固定のストーリーとテーマを持っていて飽きずに楽しめる。

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驚くことにこれだけのファイター数でも歴代作品で最もゲームバランスがとれていると感じる。

1VS1の真剣勝負だろうが、2VS2のチーム戦、4人入り乱れる乱闘でも突出して強すぎるキャラが居るという事はない。

前作、大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS / Wii U(2014年)の素材を引継ぎ 徹底的に練り上げている。

 

ゲームプレイに目を向けると、前作と比べてゲームスピードが上昇した影響で爽快感が増したと感じる。

勝つにしても負けるにしても展開が早くサクサク試合が進むように調整された印象だ。

 

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吹っ飛ぶ際に急加速し急減速する


 細かい欠点が目立つ

  • 使いづらいUI

シリーズ恒例の問題点として度々指摘されるが本作もUIが使いづらい。

単純に階層が多すぎたり、殆ど使わない項目がトップに並んでいたりする。

 

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なぜe-shopがトップメニューにあるのか
  •  灯火の星とスピリッツ

灯火の星というモード自体が対複数戦や相手側だけ有利な状況下で戦う

スピリッツを駆使し難局をどう乗り越えるかという構造になっている。

数百ステージで理不尽な戦いを強いられるのはさすがにストレスが溜まる。

 スピリッツの管理も数自体が多すぎてYボタンの自動編成に頼ることになるのだが

前述のUIの問題で画面の切り替えが多すぎるのである。再戦時にスピリッツの変更やレベル上げを行うたびに発生するのでイライラが蓄積されやすい。

それを回避しようとすると最終的に最強のセットを作りステージの相性など気にせずごり押しすることになる。

せっかくのスピリッツという要素が生かしきれず表面上だけのものになってしまっているのは惜しい。

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  • オンライン対戦の問題点

 優先ルールは度々遊びたくないルールで強制的にプレイさせられる。

4人ストック制乱闘はルール上戦闘に参加せず最終的に漁夫の利を得たものが勝利するという消極的なプレイヤーほど有利になるので、本作のゲーム性自体を否定していて遊んでいて単純に面白くない。

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本作は世界戦闘力をマッチングの基準にしている。

プレイヤー毎ではなくキャラクター毎に設定してしまっため、対戦後に「この人と別のキャラクターで対戦したい」と思ってもキャラクター変更は不可能になってしまった。

 

この二つの問題点は前作には存在しなかったものだ。

そもそも前作のオンライン環境で多くのプレイヤーは満足していた。明らかな改悪であり理解に苦しむ。

 

 総評

9.5/10

ゲームプレイ自体は爽快で何百時間も遊べるほど盛りだくさんの内容だがそれだけに無視出来ない問題点も目立つ

 

 

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