アストラルチェインは完全に新しいのにどこか懐かしい

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メーカー: プラチナゲームズ 機種:Switch

ベヨネッタ」等でお馴染みのプラチナゲームズ制作の完全新規アクションゲームとして登場したアストラルチェイン。
発売前のPVやプレイ動画で「メタルギア ライジング リベンジェンス」の片鱗を感じ取ったプラチナゲームズファンは少なくないだろう。
斬撃のライン表示、斬奪を彷彿とさせるフィニッシュ時のコア抜き。これは間違いなくメタルギアライジングの影響だろう!

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METAL GEAR RISING: REVENGEANCEの斬撃モード

こんな感じで本作はメタルギア ライジングだけでは無くプラチナゲームズ過去作品の要素を大胆に満遍なく取り入れている。
例を挙げればベヨネッタ以降の作品でお馴染みのジャスト回避、突如挿入される謎のシューティングステージ、The Wonderful 101における隊員の操作など枚挙に暇がない。
本作が最も優れている点はそれが只の過去作の模倣ではなくしっかりと本作独自のシステムとして昇華しきっている事だ。

 

新基軸のデュアルアクション

ギオンを使役しながら闘うアクションパートは完全に新しい。
「このゲームどこかで遊んだことあるな…」と感じる事が多い昨今だが本作はオリジナリティに満ち溢れている。リスクを恐れずに未知の領域へ挑戦している。
プレイヤーとレギオンを鎖で繋いだことが本作最大のアイデアであり発明だろう。
単純に位置関係が解りやすくなるだけでなく敵を縛って拘束したり、敵の突進に対しプロレスのロープの様に鎖を張って跳ね返したりとアクションが多彩だ。
特筆すべきはレギオンの元へ瞬時に移動したりまたはレギオンを引き寄せたりといった移動操作に活用した点である。戦闘シーンでは如何に華麗に立ち回り、コンボ叩き込むのかを考えるのが楽しい。
これらのアクションは習熟こそ難しいものの、ゲームが進みスキルが充実してくる頃には自然と使いこなせるようになっているだろう。
3種の武器✕5種のレギオンの組み合わせを適材適所に選択しバッサバッサと敵を捌く爽快感は唯一無二だ。

 

 

世界観の理解が深まる捜査パート

これまでアクション一辺倒な作品が殆どだったプラチナ作品の中でも異彩を放つのが捜査パートだ。
アクションの流れから独立したこのパートはゲーム全体に緩急を加えている。
AR(拡張現実)を駆使した事件の捜査は「デトロイト ビカム ヒューマン」におけるコナー編を髣髴とさせる。
ある程度開けたマップは探索による発見が面白く、発見はアクションパートを有利に進めるのに役立つアイテムが手に入ったりもする。
「捜査なんかやりたくねえからアクションをやらせろ」というプレイヤーはメインクエストのアイコンだけを追いかければいいという設計も潔い。

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要素が膨大が故にスロースターター

2体のキャラクターを同時に操るため必然的にコントローラーの操作は複雑だ。
特に序盤は手にあまり、そもそも自分が正しい操作を行えているのかどうかすら解らないほど複雑怪奇だ。
プレイヤーは主人公を操作しながら敵の位置や攻撃を気にしながらレギオンを使役しながらリミッターゲージまで気に掛けなければならない。
これに加えて画面外から敵が攻撃してきたり、その攻撃でステージ外へ押し出されて落下ダメージを受けるのは意地悪に感じる。
回復手段やスキルに乏しい序盤ほど理不尽に思える要素が多く、一番最初に乗り越えるべき壁が高い。
最序盤の2~3時間はチュートリアルだと割り切って遊ぶ必要があるだろう。
これらの問題は守護モードを選択して、任意の項目を自動操作に割り振る事によってある程度は緩和される。しかし筆者はゲーム側として自動操作モードを用意したのでこの問題は解決ですねと言われるのは少々乱暴な論法だと感じる。

まとめ

アクションゲーム新境地へ果敢に挑んだ本作はやや粗削りな部分も散見されるが大胆な挑戦はそのほとんどが成功している。

間違いなく唯一無二でありアクションゲームのファンなら体験すべき作品。
プラチナゲームズがこれからどこに向かい、どんな新しいゲームを見せてくれるのか興味は尽きない。

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