Nintendo Switch lite 感想 ギリギリ持ち出せないハードから持ち出せるへの変化
任天堂は2017年に発売したNintendo Switch(以下、Switch)にてゲームボーイから脈々と続いていた携帯機のラインを事実上打ち切り、据え置き機と携帯機を統合するという大胆な方策を獲った。
これによってハード毎に分断されていたソフトが統合されたのは非常に大きなメリットであった。
Switchは据え置きモードと携帯モードをスイッチし、更にJoy-Conを分離してテーブルモードでおすそ分けプレイまで楽しめるというかなり欲張りな仕様のハードだった。
しかしそれら全てが完全に上手く作用していたかというと必ずしもそうではなかったように感じている。
Switchを携帯機として見た場合筆者にとってはギリギリ持ち出すのに厳しいサイズと重さだったのである。
屋内で持ち運ぶには良いが外出時に持ち出すとなると野暮ったく重いという印象が拭えなかった。
携帯モードにおけるJoy-Conのボタン配置はおすそ分けプレイ対応の為に明らかに無理がある配置であり、十字キーの欠如は大きすぎる損失であった。
今回携帯モード専用に特化したハードとして発売されたNintendo Switch Lite(以下、Switch Lite)はこれらの問題を解決したのだろうか。
持ち出せないラインと持ち出せるライン
例として普段持ち出せない物と持ち出せるを挙げる。(比較として単四電池を置いている)
iPad Air 2019
雑誌や漫画を読むのに優れているサイズだが持ち運ぼうとは思わないレベルで大きい。本体456gにカバーを付けると更に厳しくなる。
そもそも持ち運ぶ用途ならiPad mini5を選択するだろう。
Kindle Paperwhite 第10世代
本体は僅か182gでカバーを着けても軽々としている。外出時に鞄へ入れても全くかさばらず、片手で余裕で持てるので電車通勤時の暇つぶしとして最も重宝してるツール。
Nintendo Switch
Joy-Con取り付け時、398gになるSwitchは上記二例の中間に位置するが筆者にとってはギリギリ持ち出せない側に位置していた。
結局このスティック部分の突起により、この形状のものを持ち運ぶにはそれなりのカバーかケースを用意せねばならずその場合500gを超えるからである。
因みにかなりソフトが限定されるがタッチパネルオンリーで操作出来るゲームの場合Joy-Conを完全に取り外してのプレイも可能だった。この場合は約297g。
圧倒的に軽いSwitch Lite
本体を持って先ず最初に誰もが思うであろう、とにかく軽い!圧倒的に軽いと言っていい。
約275gはSwitchと比較して-123gに過ぎないがこの差は数字以上に大きく感じる。
外に持ち出してみようかなと思える程の変化なのである。
本体サイズもギュッと凝縮されている。それでいてゲームプレーの体験を損なわない調整も見事だ。
背面のマットな仕上げも好印象。汚れが目立ちにくく、汗をかいてもすべらない。
遂に復活を遂げた十字キー
念願の十字キーが搭載された事は特筆に値するだろう。おすそ分けプレイを売りにする任天堂は頑なに十字キーのJoy-Conをリリースしなかった。(HORI製の十字キー左Joy-Conがあるにはあるが)
今世代のゲームはアナログスティックがあれば大体何とかなる事が多いが、スーファミクラシック等のレトロゲームではかなり厳しい。ゲームを遊ぶ上で十字キーは必要不可欠であり、そもそもSwitchで排除されたこと自体が間違いであるとさえ感じる。
操作性の向上したボタン配置
これもおすそわけプレイの撤廃に起因するが。Switchと比較してゆったりとしたボタン配置になったと感じる。Switchで特に不満に感じていた-ボタンを操作する際に左スティックに干渉する問題は完全に解決してはいないものの許容出来る程度には改善されている。
マイナスな点
Switchで特徴的な機能だったHD振動が未対応な点は明確なマイナス点である。IRカメラが排除された事もソフトによっては遊びの幅を縮める事になるだろう。
最も大きな問題はJoy-Conを活かした作品の場合、ソフトによっては全く遊べなくなるか又は遊び方が制限される事だろう。
これらの点を憂慮するユーザーはSwitchの方を選ぶべきである。
まとめ
Nintendo Switch Liteは携帯ゲーム機を熱望しつつもSwitchの携帯モードでは満足出来なかった層の為の製品だと言える。
本体価格1万9980円(税別)は二台目需要としても手の届きやすいラインだろう。
携帯ゲーム機愛好家ならマストなハードだ。